新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する、抗菌、抗ウイルス製品のチェックポイント

ふき取り

北里大学の 大村智記念研究所 ウイルス感染制御学研究室I 片山和彦教授らの研究グループが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化効果について、市販の医薬部外品および雑貨で、その実証性を確認しています。

医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について — 北里大学(4月17日)

結果として、「エタノールは、50%以上の濃度であれば、接触時間 1 分間で十分なウイルス不活性化が可能だ
と考えられた。」という実験結果がえられています。

今回の様に、実際のウイルスに対して効果があったとされる実験データは、「抗ウイルス」製品の効果を実証するために、一番分かりやすい方法とも言えます。

ただ、上記実験を良く読み解いていくと

一分間、50%以上の エタノール濃度で、VeroE6/TMPRSS2細胞という 細胞培養に使われる細胞株での実験であって

50%濃度以上のエタノールであれば、10秒、20秒レベルで効果があるかと言う話でもなく。

この辺りは、専門家の実験方法や、実験内容を正しく理解することが必要で、個人的な判断や、思い込みで情報を広めて行く事は、逆にとても危険な事でもあります。(ちなみに、VeroE6/TMPRSS2細胞は、今年の1月に、培養に成功した細胞株なので、専門家の方々の情報共有や、開発のスピードは、本当、素晴らしいと感じます。)

今回は、専門家や、製品、商品情報の意見をある程度、信頼しつつ、自分で、性能の信頼性を確認、チェックできる、ポイントを、幾つか紹介したいと思います。

抗菌と抗ウイルスの違い

ウイルスと細菌の違い

抗菌と抗ウイルスの違いを正しく理解する こちらで記事にしていますが、病原菌、病原体として「菌」を定義しますと、ウイルスも一応、「菌」ではありますし、病原菌とも言えるの、「抗菌」という表記に、ウイルスが含まれている可能性もありますが

製品、商品表記に「抗ウイルス」と謳われていない場合は、「ウイルスに対して効果があるのか?」「ウイルスに関する、検証結果や、データが載っているか?」注意深く、確認してみるのは良いかと思います。

エンベロープの有り、無し

ウイルスのエンベロープと抗ウイルス性、不活化のメカニズム ここで解説していますが、ウイルスには、エンベロープなしのウイルスと、在りのウイルスが存在しています。

実際、エンベロープ在りのウイルスが、全て同じ性質を持つ、感染、増殖する細胞が一緒であるか?は。これも言及できる事ではないですが、ただし、似た傾向は持っているので、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対しての対策、「抗ウイルス性」を必要とする場合は

もし仮に、エンベロープ有ウイルスで、検証を行っている商品と、エンベロープ無しのウイルスで検証している場合は、前者を選んだ方が、効果が得られる可能性が高まります。

ノロウイルスは、エンベロープが無いウイルスで、エタノールでは、不活化しにくいと言われています。

この様に、同じ「抗ウイルス」でも、タイプによって効果が異なるので、ここも、気にしながら、確認してみると良いかと思います。

抗ウイルス性の評価について。

検査

評価についても、色々な方法や、機関があるので、どこでどのように、実験、評価しているのか? それを確認するのは、必要なアクションとも言えます。

評価については、①第三者機関が、認定、確認したもの。 ②外部機関で測定されたもの。 ③自社で評価されたもの

大きく分けると、この3つの 方法があります。

みなさんは、どの情報に信頼感を感じますか?

ここも、正直なところ、一概に断言しきれない部分もありますが、確率論、傾向論的には、公に対する責任感や経験がある

その検証、確認に実績がある機関の測定結果であればあるほど、その情報に対しる信頼感が高まると言えますよね。

日本ですと、抗菌抗ウイルスの関する認証を行ってる期間は、主に、以下となります。

一般社団法人抗菌製品技術協議会 SIAA

1990年代のO157による、食中毒の問題で、日本で「抗菌」がブームとなりました。

その際、効果の無い製品や、商品が、一部社会問題となりました。

そういった社会情勢から、1998年12月、抗菌加工製品についての基本的かつ共通的な事項をとりまとめた「抗菌加工製品ガイドライン」が旧通商産業省(現・経済産業省)によって策定され、SIAAもその流れで発足しています。

SIAAの扱い分野

SIAAが対象としている製品は、プラスチック、金属、セラミック をその対象領域としています。

富士フイルム Hydro Ag+ 抗菌フィルム 富士フィルムさんのこちらの製品は、PETフィルムがベースなので、プラスチック製品で、「抗菌」に関する、SIAAマークを取得されています。

なので、プラスチックに関する抗菌製品を見かけたら、SIAAマークの取得の有無を確認するのも一つのポイントです。

2019/12/26 抗ウイルスSIAAマーク運用開始

昨年末より、「抗菌」だけでなく「抗ウイルス」に関する、マークの運用を開始しました。

リケンテクノス 抗菌、抗ウイルスフィルム RIVEX RIKEGUARD FILM

リケンテクノスさんの、フィルムもPETベースで、リケンテクノスさんは、両方のマークを取得しています。

では、富士フイルムさんの製品に「抗ウイルス性」がないかと言うと、そういう話ではなく、富士フイルムさんも、抗ウイルス性の検証は、しっかり行われています。

じゃあ、マークのある リケンテクノスさんのフィルムの方が優れいているのか?

というと、それも、一概には、言及できません。

これは、そうですね、同じ環境下で、同じテストを行った場合の、評価結果によっては、言及できるかもしれませんが

こういった感覚で、示されているデータに関しても、鵜呑みにしない注意深さも、必要だと私は考えます。

一般社団法人 繊維評価技術協議会 SEK

繊維評価技術協議会の前身は、昭和28年に発足しており、非常に歴史のある団体です。

抗菌防臭加工、制菌加工 に関しては、「繊維製品新機能評価協議会(JAFET)」で行っていた事業で、この会と、繊維評価技術協議会が平成14年6月に統合しています。

SEKの扱い分野

SEKマークとしては、 抗菌防臭加工 、 制菌加工(一般用途) 、 制菌加工(特定用途) 、 光触媒抗菌加工 、抗かび加工 、 消臭加工  光触媒消臭加工 、 防汚加工 、抗ウイルス加工と、幅広い分野を扱っていますが

繊維評価技術協議会の名前が示す通り、対象は「繊維」となっています。

抗ウイルス性・抗菌性軟質フィルム アキレスウイルセーフ

アキレスさんのウイルセーフの 原材料は、不織布で、その不織布を扱っているNBCメッシュテクノロジーさんの製品「Cufitec®」は、抗ウイルス、抗菌防臭、制菌の3つのマークを取得されています。

不織布は、マスクなどにも良く使われています。

アキレスさんは、フィルムとして使われていますし、不織布自体の原料もプラスチックなので、このあたりの扱いの違いも面白い所です。

光触媒工業会 PIAJ

2006年に発足された、光触媒技術の応用と拡大と認知活動を通じて製品の普及を図り、技術の向上と高品質な製品の供給による健全な市場形成を促すことを目的とした工業会です。

PIAJの扱い分野

光触媒を用いた製品を、以下の機能別に性能評価しています。

光触媒の機能 試験法
セルフクリーニング:UV JIS R 1703-1
ファインセラミックス-光触媒材料のセルフクリーニング試験方法-
第1部:水接触角の測定
JIS R 1703-2
ファインセラミックス-光触媒材料のセルフクリーニング試験方法-
第2部:湿式分解性能
抗菌:UV JIS R 1702
ファインセラミックス-光照射下での光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果
抗菌:可視光 JIS R 1752
ファインセラミックス-可視光応答形光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果
抗ウイルス:UV JIS R 1706
ファインセラミックス-光触媒材料の抗ウイルス性試験方法-バクテリオファージQβを用いる方法
抗ウイルス:可視光 JIS R 1756
ファインセラミックス-可視光応答形光触媒材料の抗ウイルス性試験方法-バクテリオファージQβを用いる方法
空気浄化:UV(窒素酸化物) JIS R 1701-1
ファインセラミックス-光触媒材料の空気浄化性能試験方法-
第1部:窒素酸化物の除去性能
空気浄化:UV(アセトアルデヒド) JIS R 1701-2
ファインセラミックス-光触媒材料の空気浄化性能試験方法-
第2部:アセトアルデヒドの除去性能
空気浄化:UV(ホルムアルデヒド) JIS R 1701-4
ファインセラミックス-光触媒材料の空気浄化性能試験方法-
第4部:ホルムアルデヒドの除去性能
空気浄化:UV(トルエン) JIS R 1701-3
ファインセラミックス-光触媒材料の空気浄化性能試験方法-
第3部:トルエンの除去性能

 

光触媒系、抗菌、抗ウイルスフィルム 光触媒サンブレス「抗菌サガンフィルム」、パナック「VIRtech」

光触媒サンブレスさんの「抗菌サガンフィルム」は、PETフィルムベースなので、SIAAさん領域でもあるのですが、光触媒を活用しているので、こちらで認証を取られている様です。

ちなみに、JIS R 1756は、バクテリオファージQβという、人には感染せず、細菌に感染するという、ウイルスを用いてテストを行っています。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する、抗菌、抗ウイルス製品のチェックポイント まとめとして

看護師

以上、チェックポイントをまとめますと

  1.  抗菌(細菌等)なのか、抗ウイルスなのか、確認する
  2.  ウイルスのタイプを確認する
  3.  認証マークの在り無しを確認する
  4.  示されているデータの測定方法、測定基準を確認する

最低限、このあたりを押さえておくと良いかと思います。

この辺りは、もし自分が、自信のある商品を開発。世に出した場合をイメージすると良いかと思います。

もし、世の中の人に安心して使っていただきたいと考えていたら、上記ポイントを含め、安心いただけるデータを、自信を持って開示するのではないでしょうか?

そういったデータが無い商品、製品に関しては、何故それを開示しないのか?

その辺りを感じてみる、考えてみると良いかと思います。

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