除菌効果、状態の確認方法 ATPふき取り検査
除菌、抗菌の効果についての確認方法の内、簡易的に出来る、便利な方法として、ATPふき取り検査があります。
これは、エネルギー通貨と呼ばれることもある、生命のエネルギー源である ATP(アデノシン三リン酸)の量をから、細菌の発生量、増加量を推定する検査方法です。


細菌や生命のエネルギー源 ATP(アデノシン三リン酸)
非常にざっくりとした説明としては、生物が活動するためにはエネルギーが必要で
そのエネルギー代謝のサイクルで、必ず生成される、利用される物質が、ATPです。
ATPの量から分かる事
よって、ATPの量を測定することによって、その測定部位における、エネルギーの活性状態といいますか
ATPの量が多い = エネルギーが産み出されている = 細菌等の増殖や、食べかす、残滓といった 残留物の量がわかる
例えば、まな板などを、綺麗に洗浄したと思われている部位の測定を行う事で、その洗い残しの状況や
その後の測定を行うことで、細菌等の増殖状況を確認する事ができます。
この検査方法は、厚生労働省監修の「食品衛生検査指針 微生物編」にも記載されています。


実際の測定方法
実際の測定機器としては、キッコーマンバイオケミファ(株)様が、製造している ルミテスター が有名です。
検査の原理としては、蛍の発光原理が用いられていまして
要は、蛍の発光にもATPが関わっていて、そのATPに反応する酵素によって、発光のエネルギーが産み出されていますが
その発光量によって、ATPの量を測定し、数値化しています。
測定方法としては、検査試薬に浸かった綿棒を、検査対象にこすり付け、それを検査器挿入し、状態の確認をします。

測定結果の注意点
この検査の注意点としては、あくまでATPの変化を確認する事はできるのですが、実際にどんな菌が増殖したのか?
といった、菌の定性、特定をすることはできません。
また、ウイルスに関して言いますと、ウイルス自体は、自己増殖できませんし、ウイルス自体は、ATPを作り出す事もないので
ウイルスの付着状況や、状態を 完全に確認することも難しいと思います。
しかし、エタノールと言った、消毒剤は、細菌にも、ウイルスにも効果が有る事が認められており。
他の細菌の、増減や、測定値から、その消毒方法、ウイルスの不活作用、抗菌、抗ウイルス機能が、しっかり機能しているか?という、目安には、なり得ると思います。
エタノールの除菌、不活性化効果(日本食品洗浄剤衛生協会HPより引用)
感受性 (作用の強さ) |
食中毒菌 | その他微生物、 ウイルスなど |
大
|
腸炎ビブリオ、大腸菌、 サルモネラ、カンピロバクター |
親油性ウイルス(HIV、ヘルペスウイルス、 天然痘ウイルス)、グラム陰性菌(緑膿菌など) |
やや大
|
黄色ブドウ球菌 | グラム陽性菌(リステリア、乳酸菌など)、 酵母、藻類 |
中
|
ー | アデノウイルス、ロタウイルス、カビ胞子 |
小
|
ー | 親水性ウイルス(ピコナウイルルス、 パルボウイルス) |
無効 | 芽胞(セレウス菌、ボツリヌス菌、 ウエルシュ菌)b) |
ウイロイド、プリオン |

ATPテスターの入手方法
ATPテスターの入手方法としては、購入はもちろん、レンタルや、自治体の貸し出し等、幾つか方法があるので、それをご紹介します。
購入する
キッコーマンさんの、Amazonサイトから、購入が可能です。
検査に必要なものは、検査機器と、検体からサンプリングするためのルシパックという試薬が必要となります。
長く使用する方や、事業に役立ちそうな方、複数台必要な方は、購入も一つの方法かと思います。
ルミテスターSmart無償提供プログラムに応募する
キッコーマンバイオケミファ(株)様で、無償提供プログラムを行われています
こちらは、ルシパック(100本入り:24000円(税抜き))を 1年間で、6回以上購入される方向けへの、プログラムで
かなりの回数を試験される予定のある企業さんは、購入するより、こちらのプログラムに参加する方がお得ですね。
ルシパック 40本入りが 上のサイトで 15730円ですから
沢山使う方は、このプログラムの方が、機器分、お得になりますね。
レンタルする
1回限りですが、キッコーマンバイオケミファ(株)様では、
ルミテスター Smart デモ機 の貸し出しもしているので、まずは試してみたいと思う方は、キッコーマンさんからの貸し出しを受けると良いかと思います(試薬も少量ついていいます。)
埼玉県の川口市では、キットな貸出を行って居てます。
その他、有料レンタルをされている会社様も数社あるようなので
まずは、試験的に使ってみたい方は、レンタルというのも、良い方法だと思います。
(アクセルさんの場合は、検査用の試薬の購入が必要となりますので、ご注意を)
